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清楚なる白緑の世界
優しさが求められる今日、淡い緑の白緑は人を和ませ、その心を温かくする。はるか天平の昔から日本人に親しまれてきた白緑の魅力とは……。
白緑色(びゃくろくいろ)
文字どおり白みがかった淡い緑色が白緑色です。銅や青銅などが酸化して、表面に生じる緑色の錆(さび)を緑青(ろくしょう)といいますが、その緑青と同系統の色です。
白緑色の落ち着いたその色合いは、多くの人たちに安らぎを与え、穏やかな気持ちにさせてくれます。
白緑は緑青と同じ孔雀石(くじゃくいし)から生まれる
天然の顔料としての白緑と緑青は、孔雀石(マラカイト)と呼ばれる天然鉱物を粉末にし、精製してつくります。その顔料は岩緑青(いわろくしょう)ともいい、岩絵の具のひとつです。
岩緑青は仏教とともに中国から伝えられました。「正倉院文書」には白緑も緑青もその記録があり、天平時代には寺院建築や仏像彫刻などの彩色に欠かせないものでした。ちなみに奈良にかかる枕詞である「青丹(あおに)よし」の青丹は岩緑青の古名です。

孔雀石
名称は、緑色の外観と、層状をなす鉱石の断面がクジャクの羽の美しい模様に類似していることに由来。ダイヤモンドのような光沢がある。
(出典:九州大学高鉱物標本)

湯島聖堂
1690年、5代将軍徳川綱吉により創建された孔子廟(びょう)。入り母屋造りの銅葺き屋根は緑青色。
(現在の建物は再建したもの/写真提供:湯島聖堂)
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