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心華(こころはな)やぐ錦繍(きんしゅう)の世界へ



野山を美しく彩る紅葉を「野山の錦」というように、紅葉は万葉の昔から、雪月花にもおとらず多くの歌に詠まれている。


紅葉色(もみじいろ)

  落葉樹は、晩秋になると葉が紅や黄に変わっていきます。紅葉も黄葉も「もみじ」と読みます。紅葉といえば一般的には楓(かえで)をいいますが、漆(うるし)紅葉・櫨(はぜ)紅葉・銀杏(いちょう)黄葉などもあり、これらを総称して紅葉と呼びます。
  躍動感あふれる夏から秋・冬へと移りゆく季節の中で、紅葉は最後のあでやかな輝きを放ちます。やがて散りゆく紅葉に「もののあわれ」を感じながらも、心華やぐのも事実です。

「紅葉狩」の世界

 平安時代、貴族は宮廷で紅葉を眺めながら祝宴を催しました。時代が下るにつれ、野山で紅葉を愛(め)でる「紅葉狩」が貴族から武家、町人へと広まりました。その姿が「高雄観楓図屏風(たかおかんぷうずびょうぶ)」や「観楓図 十二ヵ月風俗図冊子」に描かれています。
  また、この「紅葉狩」を題材にした能楽が『紅葉狩』。これは平維茂(たいらのこれもち)が戸隠山で美女に化けて紅葉狩をする鬼神に逢い、女の舞に魅せられ誘惑されかかりますが、ついに鬼神を退治するという物語です。

「観楓図 十二ヵ月風俗図冊子」
紅葉の下で繰り広げられる饗宴(きょうえん)の様子が描かれている。
(写真提供:財団法人 ジェイアール東海生涯学習財団)

能楽「紅葉狩」
前段で美女(実は鬼神)たちが優美な舞を見せ、後段は正体を現した鬼神が平維茂と激しく立ち回るという迫力満点の舞台。

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