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情熱のシンボルカラー



太陽、情熱、歓喜、恋などを連想させる赤は、古くから日本人がこよなく愛してきた色である。


茜色(あかねいろ)

  茜色は、わずかに黄みを帯びた濃い赤色です。色名は植物のアカネを「赤根」とも書くように、その根の赤に由来するといわれています。万葉びとは、茜色に照り映えるさまを、「茜さす」という枕詞にして歌を詠みました。日・昼・紫・君・照るなどにかかる枕詞です。今でも、「西の空が茜色に染まる」などと用いられます。

古代のロマンを彩る茜色

 額田王(ぬかたのおおきみ)と大海人皇子(おおあまのおうじ)の間で交わされた贈答歌がよく知られています。

「あかねさす紫野(むらさきの)行き標野(しめの)行き
野守(のもり)は見ずや君が袖振る」 
額田王

「紫草(むらさき)のにほへる妹(いも)を憎(にく)くあらば
人妻ゆゑにわれ恋ひめやも」 
大海人皇子

 「茜色を帯びる紫草の野を行きながら袖を振るあなた――」と額田王が詠み、「紫草のように美しいあなたが好きでなかったら、どうして人妻であるあなたを恋い慕うことがあろう――」と返す大海人皇子。鮮やかな茜色に映える情景が女性のこびた様子と重なり、古代の甘く心地よいロマンを感じさせます。

飛鳥の春の額田王
「あかねさす」という枕詞にふさわしい衣装をまとい、匂うばかりの美しい女人。はじめ大海人皇子(天武天皇)に愛され、のちに天智天皇に召された。 (「飛鳥の春の額田王」安田靫彦画/滋賀県立近代美術館蔵)

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