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中間色の静かな主張



浅葱は歌舞伎舞台の引き立て役

 歌舞伎は色彩の饗宴といわれるように、舞台も衣装も豪華けんらん。赤、黒、金、銀、藍、紫など多種多彩な色が歌舞伎の美の世界を構築していますが、その華やかな色彩の中で、浅葱色は舞台効果の引き立て役に徹しています。『仮名手本(かなでほん)忠臣蔵』六段目の勘平の衣装は江戸型の演出では浅葱色の紋服です。勘平の悲劇は、明るい鮮やかな浅葱色の衣装により、周囲の暗さの中でいっそう映えます。
 また、歌舞伎の演出には浅葱幕が用いられ、「振りかぶせ」や「振り落とし」と呼ばれる手法により舞台を効果的に演出します。このように浅葱色は歌舞伎の世界でもしっかりと主張しています。

『仮名手本忠臣蔵』勘平の衣装
江戸型の演出による『仮名手本忠臣蔵』六段目の勘平の衣装は、陰湿な雰囲気に反発するかのような鮮やかな浅葱色の紋服である。(写真提供:松竹株式会社)

『仮名手本忠臣蔵』若狭之助の衣装
『仮名手本忠臣蔵』大序(だいじょ)に登場する若狭之助の衣装も同じく浅葱色。師直(もろのお)の黒、顔世御前(かおよごぜん)の赤などとともに、舞台全体の色彩美を形成している。(写真提供:松竹株式会社)

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