|1/3|次頁
1972年のユネスコ総会で、「世界遺産条約(正式名称:世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約)」が採択されました。世界遺産とは、この条約に基づいて登録されている貴重な物件のこと。1992年、日本は125番目の締約(ていやく)国となっています。類別は、建造物や遺跡などの文化遺産、地形や景観などの自然遺産、その両方の要素をもつ複合遺産があり、どの遺産も国際協力の保護のもとで、未来に遺していくべきものとして遺産リストに登録されます。世界遺産は、自然の雄大さと人類の歴史が育んだ、世界中の人々にとっての至宝として認識されたものなのです。
教育、科学、文化の分野での国際協力、世界平和と人類の福祉を促進する専門機関として創設されたユネスコ。その活動の一環として、各国に「世界遺産条約」の締約(ていやく)や遺産保護、締約国には次期世界遺産の推薦などの要請をしています。また、世界遺産保護に技術協力し、締約国による保護が円滑に進むように支援もしています。
1950年代に、エジプトのナイル川で浮上したダム建設計画。これにより、アブ・シンベル大神殿をはじめとする古代エジプトの文化財「ヌビアの遺跡群」が水没の危機に陥りました。この時ユネスコは、世界各国に援助を要請して、移築することに成功します。この出来事がきっかけとなり、人類にとって貴重な文化遺産を保護していこうとする「世界遺産」の活動がスタートしました。
世界遺産の登録可否は、世界遺産委員会によって毎年1回の審議が行われ決定されます。この委員会は、「世界遺産条約」を結んでいる国から21カ国が選出され、任期は原則として6年間です。2年に一度開かれる世界遺産条約締約国総会で改選されます。
推薦された遺産は、自然遺産はIUCN(国際自然保護連合)で、文化遺産はICOMOS(国際記念物遺跡会議)において事前調査が行われます。それらの報告に基づき、世界遺産委員会ビューロー会議での事前審査を経て、世界遺産委員会で審議・決定されます。
候補物件が世界遺産として登録されるためには、これを保有する国が「世界遺産条約」の締約国(ていやくこく)であることが条件となります。また、その物件がそれぞれの国の法律で保護されていることも必須となります。日本の場合では、国宝・重要文化財や国立公園に指定されているかが基準となります。
締約国によって、暫定リストから物件が推薦されます。これをユネスコ世界遺産センターが受理した後、調査がスタートします。その後、世界遺産委員会ビューロー会議を経て、世界遺産委員会での決定により、ようやく世界遺産として認められます。
|1/3|次頁








